ドッグフードは犬の成長に合わせて
必要な栄養素がバランスよく配合されている
ものを食べさせている方も多いでしょう。
しかし、人間にとって身体に良い食材に、
犬にとっても良い食材があるのをご存知ですか?
犬の栄養管理の方法や、
飼い主さんと一緒に食べられる食材など
ご紹介していきます。
年齢に関係なく摂取しよう!犬に必要な6大栄養素!
犬の栄養管理は、犬の成長に合わせて
管理することが大切です。
しかし、犬には年齢などに関係なく
基本的に必要な栄養素が6つ
あることをご存知ですか?
まずは、犬に必要な栄養素を覚えておきましょう。
水
犬にとって最も大切とも言える栄養素は、水です。
成犬の体重の約60%〜70%は水が占めていて、
生命維持に大切な栄養素と言えます。
主に
- 消化機能
- 体温調節
などの役割に関係しているのが、水です。
水の種類には
- 飲み水
- 食事の時や食材自体が持っている水
- 身体の中で作られている代謝水
があります。
タンパク質
タンパク質も犬にとっては大切な栄養素です。
タンパク質は、
- 身体を作る
- 生命維持
に必要な栄養素です。
タンパク質は、アミノ酸という成分が
鎖状に繋がっていますが、
胃や小腸から分泌される消化酵素によって
アミノ酸に分解されて体内に吸収されます。
吸収されたアミノ酸は、身体の中で
元の食事に含まれるタンパク質とは違う、
犬の身体を作るためのタンパク質に作りかえられ、
とても重要なエネルギー源となります。
このタンパク質を作る約20種類のアミノ酸の中には、
身体の中では作ることができないアミノ酸があります。
これを必須アミノ酸と呼び、
犬の場合は10種類あると言われています。
- 筋肉の維持
- 満腹感の持続
- 皮膚や被毛の原材料となる
これらの理由から、犬にとってタンパク質は
必要な栄養素とされているのです。
脂質
身体のエネルギー源となるのは、
タンパク質だけではありません。
脂質は、
- 身体のエネルギー源となる
- 脂溶性ビタミンの吸収を助ける
- ホルモンや脳神経組織を作る
- 細胞膜を作る
などの、材料にもなります。
脂質は、糖質やタンパク質の
2倍以上のエネルギー源となります。
さらには、犬のフードに使用されている脂質は
消化しやすいため
よりエネルギーになりやすくなっています。
脂肪は脂肪酸が結合してできているものですが、
脂肪酸の中には
犬の身体の中で作り出すことができないものもあるため、
食事から取り入れることが必須となります。
また、脂肪があることで味や香りが増し、
滑らかな舌触りに
なるということも魅力です。
炭水化物
炭水化物は、
- 糖質
- 繊維質
に分かれていて、それぞれ違った働きをしています。
糖質はエネルギー源となり、
血糖値を調整する働きがあります。
一方繊維質は、腸の運動を促進したり、
腸内細菌のバランスを維持するなど、
腸の健康に働きかける栄養素となります。
ビタミン
犬にとってビタミンの必要量は
それほど多くありません。
しかし、身体の機能や代謝を調整するために
必要な栄養素となります。
ビタミンというのは、直接エネルギーなどに
なるわけではなく、
他の栄養素がエネルギーとなるのを助ける働きがあります。
ビタミンには多くの種類があり、
動物によって必要なビタミンが
違うと言われています。
犬の場合は、13種類のビタミンが必要だとされています。
ミネラル
ミネラルは、身体の機能の維持や調整のために
必要な栄養素です。
ミネラルは、骨などの身体の構成成分となったり、
含硫アミノ酸などを
作り出すなどの働きをしています。
ミネラルには、
- カルシウムやリンなど身体の中に多く存在する主要ミネラル
- 鉄や亜鉛など少ない量の微量ミネラル
があります。
ミネラルは接種する時のバランスが大切で、
例えばリンが多すぎると
カルシウムの吸収を阻害してしまうことがあります。
バランス良く摂取することが大切なのです。
与えすぎに注意したい栄養素は?
犬に必要な6大栄養素ですが、
実はすべて摂取しすぎるのは、
犬の身体にとって良くありません。
中でも様々な病気の原因となる肥満を防ぐためにも、
脂質と炭水化物の糖質の摂り過ぎには注意が必要です。
適量を与えるよう心がけていかなければなりません。
特に年齢を重ねるとともに、
気をつけていく必要があります。
肥満などが気になる場合には、
- ダイエットのアドバイスを受ける
- 脂質や糖質の少ないフードに変える
など、食事を見直す必要もあるでしょう。
しかし、どちらも犬にとって必要な栄養素です。
特に脂質の必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸などは、
様々な病気を予防する栄養素でもあります。
まったく摂取しないというわけではなく、
摂取する量を減らすなどの
対応をするようにしましょう。
栄養管理をする上での注意点
犬に必要な栄養素は、それぞれの犬に合った
量を摂取しなければなりません。
摂取しすぎると、身体に悪影響を
与えることにもなりかねません。
犬の栄養管理をする上での注意点をご紹介します。
年齢に応じた栄養管理が重要
犬の栄養管理をする上で大切なのが、
年齢に合わせた栄養管理を
するということです。
犬も人間と同じで、年齢を重ねると
身体に様々な症状が出ます。
- 太ってくる
- 下痢をしやすくなる
- 脂の消化が悪くなる
犬は、老犬になっても一見若い時と体格などが
同じに見えることもあります。
しかし、身体の内側には老化現象が起こっていて、
上記のような症状が多く見られるようになります。
こうした目に見えない変化を感じとり、
変化に合わせた対応か
できるのは飼い主さんだけです。
年齢などに合わせた栄養管理ができるよう、
日頃から愛犬の様子を見ておき、
気がついてあげられるようにしましょう。
犬種の特性や個体差を考慮する
犬の栄養管理をする上で、年齢以外にも
気をつけたい部分があります。
それは、犬種の特性や生まれ持った個体差などに
合わせた栄養管理をするということです。
例えば、老犬期は犬種によって違ってきます。
一般的に、
- 超大型犬は5歳頃〜
- 小型犬は7〜9歳
頃からが老犬期です。
同じ老犬期ではあっても、犬によってその時期が違うのです。
また、例えば老犬になり白内障に
なってしまったという場合。
白内障などは、与える食べ物によって
進行を遅らせることができるとも言われています。
そのためには、白内障などに良いとされる
栄養素を取り入れることもあるでしょう。
こういったことからも、
- 年齢
- 犬種
- 今抱えている問題
などに合わせて栄養管理をしていきましょう。
年齢別!栄養管理のポイント
では、具体的にどのように
栄養管理をしていけば良いのでしょうか。
年齢別の栄養管理のポイントをみていきましょう。
幼少期
人間の赤ちゃんも同じですが、
犬の幼少期も成長が著しい時期です。
身体を作るタンパク質や脂質などの栄養を中心に、
骨などを作るカルシウムやリンなどのミネラルも
必要な栄養素となります。
ドッグフードを与える場合は、
子犬用のドッグフードを選ぶと良いでしょう。
ただし注意したいのは、
大型犬はカルシウムを摂取しすぎると骨の異常が
見られる場合があるため与えすぎには注意です。
また、手作りの場合は、これらの栄養素を
意識したいところですが、難しい場合には
市販のドッグフードを併用したり、
専門家に相談などしてみるのも良いでしょう。
成犬期
一般的には、成犬期と呼ばれる時期が
1番長い時期となります。
成犬期には、犬に必要な6大栄養素をバランスよく取り、
生活環境に合わせた栄養素や食事量に気をつけたい時期です。
成犬期の場合は、
- 年齢
- 毎日の運動量
- 去勢避妊手術の有無
- 体質
- 生活の環境
によって、同じ犬種でも個体差があらわれてきます。
そのため、年齢や犬種といったことだけでなく、
飼い主さんが愛犬の様子を見て、
愛犬に合わせた栄養管理を心がけましょう。
ドッグフードの場合は成犬用を選ぶと良いですが、
与える量については、記載されている量に限りません。
運動量が少ない犬であれば、
記載されている目安の量では、食事を与えすぎとなり、
肥満などの心配もあります。
飼い主さんは、愛犬の身体に触れチェックしてあげましょう。
例えば、あばら骨が確認できないようであれば
肥満の可能性もありますので、
食事の量を調整してあげなければなりません。
あばら骨が浮き出ているような場合は、
食事量を増やすなどの調整が必要です。
このように、食事量の管理も大切になってくるのです。
手作りのフードを与える場合は、
子犬の時期ほどのエネルギーは必要ないため、
タンパク質や脂質を与えすぎないように注意しましょう。
体型維持を考えた栄養管理をしていきましょう。
老犬期
老犬期は、運動量も代謝の量も減る時期となります。
そのため、食事量を減らしたり、
脂質を減らすなどの栄養管理が必要です。
そして、老犬期は成犬期よりもさらに個体差が
あらわれる時期でもありますので、
注意深く愛犬を観察してあげる必要もあるでしょう。
タンパク質や必須脂肪酸などをしっかり
意識することが大切であり、
老化により衰えている部分のケアが重要になります。
老犬になると、消化器官が弱ってきますので、
栄養素をうまく身体の中に
取り込めないことがあります。
これは、衰弱の原因となってしまいますので、
お腹の調子を整えるような
栄養素を摂取しなければなりません。
必要であれば、サプリメントなどを与えるのも良いでしょう。
また、関節が弱くなったり炎症が起こりやすいなどの
時期でもあります。
予防のためには、グルコサミンやコンドロイチンなどの
栄養素もおすすめです。
体重が重いと関節に負担がかかることもありますので、
体重管理も大切です。
手作りのフードの場合は、お肉などを与える時には
- 脂質が少ない鶏のささみ
- 皮のないムネ肉
- 牛や豚なら赤身やヒレ
などを与えるのがおすすめです。
犬にもおすすめの健康食材|野菜・乳製品編
ドッグフードを食べさせている場合には、
必要な栄養素がバランスよく配合されています。
それだけでも十分に栄養素は足りていますが、
成犬期、老犬期になると個体差も出てくるため、
犬によってそれぞれ必要な栄養素も変わってきます。
そんな時には、飼い主さんと一緒に食べられる
健康食材を取り入れてみるのも1つの方法です。
犬にとってもおすすめの健康食材をご紹介していきます。
まずは、野菜や乳製品編です。
ビタミンたっぷり!ブロッコリー
まずは犬にとっても健康に良い食材として、
ブロッコリーがあります。
ビタミンC、A、B1などを多く含むブロッコリーは、
犬にも好ましい食材の1つです。
さらには食物繊維も豊富ですので、
うんちの量も増えます。
消化器官が弱ってきた老犬にも、
食べやすい食材になります。
犬に与える場合には、必ず加熱した上で、
食物繊維が多い軸の部分は
あげるのを控えましょう。
ブロッコリーを与える目安としては、
10gまでが目安となります。
いつものドッグフードにプラスしてあげてみて下さい。
ビタミンCを摂取!トマト
ビタミンCやカリウムが豊富なトマト。
トマトの赤い色素であるリコピンは、
抗酸化作用が期待できる成分です。
トマトはジューシーですので、
犬の水分補給にも役立つ食材です。
水分が多い野菜になりますので、
あげすぎてしまうと軟便になって
しまうこともありますので注意しましょう。
トマトは、生で与える量は15gまでが目安となります。
腸整作用に期待!ヨーグルト
整腸作用に優れているヨーグルト。
ヨーグルトは
- 消化が良い
- 腸の働きを助ける
効果が期待できます。
消化器官が弱った老犬にもおすすめの食材です。
ただし、ヨーグルトにはカルシウムも
豊富に含まれているため、
与えすぎてしまうと尿石などの原因と
なってしまうことがあります。
ヨーグルトを与える時には、
無糖のプレーンのヨーグルトを
小さじ2杯程度までに抑えましょう。
栄養豊富!納豆
納豆は人間にとっても健康に良い食材になりますが、
犬にとってもおすすめです。
たんぱく質やビタミンなど犬にとって
必要な栄養素がたっぷりと含まれています。
余分な脂肪分を便として排泄する効果も期待できます。
しかし、与えすぎてしまうと腸内でガスを
作りだしてしまうため、
あげすぎには注意が必要です。
与える時には、味付けをしていない
プレーンのものを小さじ1杯
までを目安としましょう。
犬にもおすすめの健康食材|果物編
続いて犬にもおすすめの
食材、果物編をみていきましょう。
1年中美味しく食べられる果物や、旬の果物など、
犬と一緒に果物を食べるのも楽しいですね!
ビタミンCたっぷり!いちご
いちごにはビタミンCが豊富に含まれていて、
ストレスを軽減してくれる働きがあります。
しかも、低カロリーになりますし、
水分も含まれていますので、
犬のおやつなどにもおすすめの果物です。
ヘタを取って、そのままあげることができますので、
他の果物に比べると
手軽にあげられるというのも嬉しいポイントです。
20gを目安として食べさせてあげると良いでしょう。
便秘解消!りんご
犬におすすめの果物2つ目は、りんごです。
りんごには、ペクチンという腸の働きを良くする成分が
豊富に含まれています。
排便を促す効果が期待できるのが、りんごです。
りんごを与える時には、
皮や芯、種を取り除き小さく切り分けて
食べさせてあげましょう。
生の状態で20gを目安としてあげると良いでしょう。
栄養豊富!バナナ
人間にとっても健康に良いとされているバナナ。
バナナにはカリウムが豊富に含まれており、
- 細胞を活性化させる
- 筋肉の収縮を助ける
- 腸の運動を助ける
などの、効果が期待できます。
愛犬が便秘気味などの時には特におすすめの果物です。
皮をむいて、表面についている筋を取り除き、
生で食べさせてあげましょう。
生の状態で20g程度を目安としてあげて下さい。
免疫効果を高める!アセロラ
アセロラには、ビタミンCやβカロチンなどが
豊富に含まれています。
そのため、犬の
- 免疫力を高める
- 感染症を予防する
- 体調の回復を早める
などの効果が期待できると
考えられていますので、おすすめです。
与える時には、1粒を目安としてあげると良いでしょう。
愛犬に合わせた栄養管理を!犬と一緒に健康食材を食べよう!
犬の体にも良い健康食材ですが、
与えすぎてしまうと栄養の摂りすぎなどに
なってしまうこともあります。
食べさせる場合は推奨量を守り、
飼い主さんも愛犬も一緒に
健康な身体を手に入れましょう!